絞り
「絞り」(しぼり) はレンズから入る光の量を調整する部分です。
絞りを開けると明るくなり、絞りを絞ると暗くなります。カメラの設定では F 値が絞りを表していて、 絞りを開けるには F 値を小さくします。絞るには F 値を大きくします。
F 値はどんな値でも設定できるわけではなくて、基本的にとびとびの値で、さらに設定可能な上限・下限はレンズによって制限されます。
さてそれでは、いつどんな目的で絞りを変えるのでしょうか。
明るさ、暗さを調整
1つめの目的は、明るさ、暗さの調整です。
例えば、子供のお誕生日でケーキのロウソクを吹き消すシーンを撮影したいとします。 暗い中で撮影するには、暗いところでたくさん光を取り込まないといけないので、絞りを開けます。 カメラの設定では F 値を低く設定します。
明るさ調整といえば ISO 感度もありますが、ISO 感度を上げると画質は下がるので、なるべく小さい ISO 感度を保ちながら、 暗いところで撮影しようとすれば、絞りを開けることになります。
逆に明るい所では、絞りを絞って (F 値を上げて) 露出を適切な値にします。
背景をボカすには絞りを開ける
2 つめの目的は、ピントが合っている範囲の調整です。
くっきり見える範囲を「被写界深度」と言いますが、絞りを開けると被写界深度は浅くなります。 つまり、ある範囲にだけピントが合っているようになり、その前後、周囲がボケます。
ポートレートの撮影などで、人にだけピントを合わせたいときなどは絞りを開けます。
逆に風景を撮影するなど、なるべく広い範囲にピントを合わせたいときは絞りを絞ります。
ちなみに、被写界深度は画角も影響します。広角レンズで撮影するほど被写界深度は深くなり、望遠レンズほど浅くなります。
カメラの設定は A
絞りは英語でアパチャー (aperture) といいます。
このため、一眼レフカメラなどの設定で、絞り優先モードは A と記載されている場合が多いです。